腸脛靭帯炎、ランナー膝
腸脛靭帯炎は別名ランナー膝といわれています。
その名の通り、ランナーに多い痛みとされています。
陸上中長距離の選手に多く、道路やトラックなどの関係で傾いた路肩やカーブの外側の脚に発症することが多いです。
実際にはどんな症状があるかというと、
b.症状と診断
走り始めでなくランニング距離の増加とともに出現する疼痛で、膝屈伸時の膝外側の刺すような痛みである。
局所所見として外側上顆上の腸脛靭帯に圧痛、軽度の腫脹、屈伸に伴うれき音が認められる。
徒手診断法としては腸脛靭帯に圧迫を加えながら膝の屈伸を行わせると、疼痛が誘発されるgraspingテストが有名である。
なお、鑑別として外側半月板損傷、外側側副靭帯滑液包炎などがあげられ、MRIはその鑑別に有用である。
組織学的研究では病変部位に粘液変性やフィブリン壊死を伴った滑膜様繊維組織がみられるとされている。公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト③スポーツ外傷・障害の基礎知識/財団法人日本体育協会発行p116より引用
とされています。
特徴的なのはやはり【ひざの外側の痛み】です。
ひどくなると体重をかけない状態での膝の曲げ伸ばし時にも痛みがでるなどの症状がでてきます。
腸脛靭帯の構造と機能
腸脛靭帯は、大腿の外側面を下行し、大腿骨外側上顆越えて、脛骨粗面の外側に存在する結節に付着する固い結合組織性の被膜である。
そのため、股関節運動と膝関節運動を制動する機能をもつ。
疼痛が生じる膝関節に対しては、膝内反と下腿内旋運動に対する制動作用をもつ。腸脛靭帯は、膝関節屈曲伸展運動の運動軸上を滑走し、膝関節45°屈曲位を境界として、その作用方向が変化する。
・45°屈曲位より伸展域:運動軸の前方を通過するため、膝伸展に作用する
・45°屈曲位より屈曲域:運動軸の後方を通過するため、膝屈曲に作用する運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学/編著 工藤慎太郎 医学書院p130より引用
腸脛靭帯は図のようにおしりの筋肉、太ももの筋肉との連結がありますので、
股関節周りの柔軟性の改善が必須です。
当院では、超音波治療と運動療法を組み合わせ対応します。
ランニングフォームのチェックや、足底のチェックなどをいれ、根本的な原因を追究して対処します。
ストレッチはもちろん、外側に負担がかからないようなトレーニングなどを行うことが大切です。